そのじゅういち
目を開く
ああ、夢だったのか よかった。 夢 うん夢
視線は下に下げない
困った夢だなあ~
頭をかこうとして手を上げると何かが揺れる感覚がある。
リアルな夢だよね~
夢じゃないよ!!!
なんかあるよ!! 2つくらいあるよ!!!
がっ!と掴む 痛いっ!
「あああああああああ!!」
「明ちゃん!!」
ドアをあけてゼンジが入ってくる。
ゼンジッ! ゼンジ助けて!!
「ゼンジ!ゼンジ!! ボクの身体がっ!」
「落ち着いて、明ちゃん まずは落ち着いて」
暴れるボクはゼンジに抱きしめられる。
トクン・トクン・・・・・音が聞こえる。
その音を聞いてるうちに徐々に気持ちが落ち着いてくる。
しんぞうの おと
見上げるとゼンジの顔 やわらかく笑っている。
「落ちついた?」
「 うん ありがとう」
ゼンジが頭をなでる。ゲームの時ほどではないが 安心する。
「先生に来てもらおう」
ゼンジがナースコールのボタンを押す。
今頃ここが病院だと気付く。
「どうしました?」
「小泉です。目が覚めました。」
気が付くとゼンジの制服の裾を握り締めていた。シワになっていた。
「あ・・・・ごめん」
「い~よ、い~よシワくらい」
悪いとは思っているが手を離せない。
「もう少しここにいてくれる?」
「~~~~~~~~、もちろん!ここにいるよ」
やっぱりゼンジは優しい。
しばらくすると看護士の人と医師が来る。穏やかな笑みを浮かべた初老の医師だ
渡辺先生と言う名前らしい。
ゼンジは病室の外に出される。えー? ちょっと寂しいよ
先生はボクに胸を出すように言った。ゼンジは外で正解だったね。 うん
Yシャツは脱いでアンダーシャツをめくりあげる。
プルンと2つのふくらみが出てきた。 うわあ
保健室で見たときより大きくなっている。
ミンの時よりまだ小さいが、女の子にしか見えない大きさだ。
(初期設定くらいの大きさかな?)
ゼンジに大きくさせられる前の素の状態のキャラクターがこのくらいだったような気がする。
「下はどうなっているかな?」
「はい・・・・・え?」
当然下も女の子のように変わっているつもりでいたがそうではなかった。
そこには男の子の象徴がいらっしゃった。
小さくなっていたが
男ならわかるだろう。寒いときのアノ状態のようだ。
思わず触って確認しそうになったが先生も看護師さんもいるのを思い出してやめた。
「ああ、いいかい?確認するよ?」
結局露出させられて触られてしまう。 うううう
「もうじき御家族が見えられるからそのときにちゃんと話をしよう」
服を着ていいよと言われ制服を着る。胸がきつい
「元には戻れるんでしょうか?」
「それを含めてご家族とご一緒に・・・・・と言いたいけど不安だよねえ?」
「はい」
「うーん、戻るのは難しいね」
やっぱりそうか
覚悟はしていたつもりだがショックは大きかった。
コンコンノックの音がして扉が少し開く
「先生ご家族の方が見えられました」
「わかった。場所を いやここで話そうか」
先生はボクが少し震えているのを見て言ってくれる。
移動するときに震えて転んでしまいそうだったのでありがたかった。
両親と晃が病室に入ってくる。
「明、大丈夫なの?」
大丈夫じゃないよ お母さん
「学校で倒れたって聞いたぞどうしたんだ?
ボクのほうが聞きたいよ お父さん
「兄ちゃん 胸が・・・」
そうなんだ 変だろ? 晃
身体の震えが大きくなる。 こわい こわい! こわい!!
ふと右肩が暖かくなる。
見ると隣にゼンジがいてその手が右肩に乗っていた。
震えが止まっていた
「君がいてくれたほうが言いようだね」
先生が微笑む
「彼がいてもかまいませんか?」
家族に聞く 3人は了承する。
「ありがとうございます」
「あの・・・・・・先生 明は 直るんでしょうか?」
「直ると言うのは男として生活できるか と言う事ですか?」
「 はい」
「それは 無理です」
右肩の上の手に力がこもる。さっきも聞いたせいもあるがその手のおかげで多少は落ち着いて話を聞くことが出来た。 しかし
「なぜなら息子さん いえ明さんは元々が男の子ではなく女の子だからです。」
こちらの言葉は衝撃が大きかった。 女の子?
ナニが? ダレが? ボクが??
思わず右肩に手を伸ばしそこにあるものを握り締める。
ボクが 女の子?
じわりじわりと ええ




