プロローグのようなもの
物語の始まりとしてはありがちだけど、ボクは思う。
・・・・・・・・・・どうしてこうなった??
目の前には倒したばかりの魔獣の死体。ゆっくりと消えかかっている。
これはいい。
死体が消えるのはゲームだからだ。バーチャルリアリティーゲームと言うやつだ。
そして倒したのはボクだ。幼馴染に誘われて始めたゲームで最初に倒した敵だ。
それは問題ない。
ボクの隣には気まずげにチラチラこちらを見る幼馴染の使用しているキャラがいる。
周囲にはボロ布が落ちている。コマ切れの・・・・・・かつて服だった物の無残な姿だ。
ボクの服が粉砕されてしまったのだ。今は何も着ていない・・・全裸だ。
仮にも女性キャラのしていい格好ではないと思う。
「あー、悲しい事件だったな?」
ゼンジ、という名を付けられた幼馴染のキャラが言う。
「過去の話の様に言わないで・・・」
ミンと名付けたボクの操作するキャラがしゃがみ込んだまま答える。
「あとそのマント貸して」
「はいはい」
「少しの間アッチ向いてて」
「えー?」
「えー?じゃない」
ゼンジがチラチラとボクを見ながら自分のマントをはずして手渡しながら言う
「男同士じゃないか」
じろり
「ハイ、スミマセン」
あわててボクに背を向けた。
ボクはため息をつきながらマントを羽織る。
問題は
男であるボクに女性キャラを使う様そそのかした幼馴染と
レア種族が選択出来てしまったせいでそれに乗っかったボクと
選べないはずの性別を選べてしまうゲーム機と
開始15分で服が無くなってしまう様なゲームの仕様にあると思う。
原因はわかっている。わかっているのだが、やはり思う。
・・・・・・どうしてこうなった??
初めてなんです
11/10修正