表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/51

雨の博物館

突然の雨に降られて

傘もない君を迎えてくれた

古い屋敷を改造した博物館

ホールに飾られた水槽の

ホルマリン漬けの人魚に

目を見張るのはまだ早いから

キューピッドに

山羊の足の悪魔に一角獣に

ここは幻獣博物館


夢か 幻か 

それともタチの悪い冗談か

テーマに沿ってまとめられた

部屋の展示物の剥製に

君は息を飲むばかり

スフィンクスにアヌビス神に

河童に猫又にカラス天狗


魔訶不思議な生き物たちを見る君を

いつの間にか見ていた男に気付くはず

彼はこの館の主であり 蒐集者でもある

この舘の秘密が見たくないかい

手招きする男に導かれて

君は博物館の深部に達する


その扉の向こうは幻獣の園

見てはいけない禁断の園


真っ白な実験室のタイルの上

血まみれの獣の死体が転がっている

嗅がされた薬品の臭いが

君の意識を急速に奪っていく

男の羽織った白衣が

君がこの世で見る最後となる


雨の博物館に迷い込んだ

誰かが消える度に

幻獣博物館の展示物が

また一つ増えていく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ