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サボテンの歌

東京は砂漠に似ていると

ある歌うたいが言った

乾いた風と すべてを風化させる

無関心な人の目が

陽炎のようにまぼろしを見せる都会の片隅

サボテンは狭い空の下で

淋しい僕と会話をする

旅に疲れて足を止める僕らは

水を求めて蜃気楼のネオンに惑わされる


人は誰も 生まれて死ぬまで

歩き続けるしかない旅人らしい

いつの日か荒れ果てた広野で

本当の星空を見つけるまで・・・


コンクリート製の虫かご

見上げる高層マンションに

蛍のように弱々しく光る

僕らが生きているあかし

誰かに飼われていることに

気付かないフリをする

僕や無数の僕らは

時刻表の生活に満足するしかない


コップ一杯の水では

どうしようもないほど僕らは

渇いている

求めているのは新しい何かでも

刺激でもなくて

誰かに理解されたいだけだったりする


だから僕らはサボテンを買う

だってここは淋しい砂漠の真ん中へん

一人でいる沢山の僕と僕らが

無数のサボテンに語り掛ける

幻の棲む都会の片隅で

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