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たとえばこんな話

夜の繁華街

ネオンのきらめくその隅で

そこだけが暗く静かだった

闇の中から俺を呼び止めた占い師は

俺の目が死を求めていると言った

心臓が停止し

血が流れ出し

やがて腐り落ちていく肉の塊ではなく

自分の存在が消えると言う

死の概念そのものを愛してやまないのだと

存在が消える

なんと甘美な響きだろう

俺はようやく一つの答えを手にしたのだ

俺は意気揚々と占い師の前を離れた

街の雑踏の中に紛れ込んだ俺は

遠く背後で女の悲鳴を耳にする

ポケットに忍ばせたナイフに付着した錆びた赤い血

拍動が停止し

アスファルトに血溜まりが広がる

動かない占い師を遠巻きにして

人々は新しい見世物に酔うだろう

俺は雑踏の中

獲物を探す肉食獣の足取りで歩く

死を求める目をして・・・

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