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お市の天下  作者: 女々しい男
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幼き使者

謙信亡き後の越後は混乱を極めていた。

謙信溺死により、一時的に長尾政景が当主代行に就任すると政景は織田に下るとの声明を出した。それに反発した豪族が山浦国清を旗頭に決起した

越後は長尾政景派と山浦国清派に別れ、内乱に突入する

政景は直ぐに織田に使者を出した

「貴方が政景殿の使者ですか?」

俺は目の前にいる子供にそう聞いてしまう

「はい、長尾政景が嫡男卯松と言います」

そう言って頭を下げる卯松

「・・・・・・」

俺は絶句していた。なるほど菊が兄様に直接合わせなかった意味がわかったわ

「何か不都合でも?」

卯松は首を傾げながら話す

「いや、お年は?」

「10歳になりました」

「・・・・・・」

幸鶴より若い、奇妙や鶴と同じ位じゃないか!何考えてるんだ政景

俺はなんとか気を持ち直して会話する

「まさか一人で来たのですか?」

「いえ、連れがおりまする」

俺は安心して呼びなさいと言ったら、もっとちっこいのキタ━(゜∀゜)━!

「お市様じゃ、挨拶せよ」

そう言って混乱してる俺に卯松が連れてきた子が話し出す

「上杉家臣樋口兼豊が嫡男与六で御座います」

なにこれ、俺にどうしろと

「父、政景が織田家の臣下に加えて頂きたいと言っております」

頭を下げながら俺に話す卯松

「・・・何か?文等預かってはいませんか?」

「あっ御座います。これです」

そう言って手渡された文を見て悟る

「貴方、織田の人質となるようにと、ここに書かれていますが知ってましたか?」

俺は少し悲しげな顔をして卯松に話しかける

「はい、わかった上で自ら志願して使者となりました」

俺の目をしっかりと見て話す卯松

「では与六は?」

「私は卯松様の小姓です。卯松様の行く所には私も付いて行きます」

「・・・・・・」

信長が知ったら、めっちゃこの状態面白がるだろうな・・・

「我らでは役目を果たせぬのでしょうか・・・」

そう言って暗い顔をする卯松と与六

よく見ると着物も足袋もボロボロで、所々血豆が破けたのであろう、シミが付いていて汚れていた

「いえ、政景殿、いや上杉の臣従するという心意気は伝わりました。犬!兵を集めよ!越後に向かう!」

「はっ!」

犬は部屋を出て行く

「半蔵!」

「ここに!」

いきなり現れた半蔵にビビる卯松と与六

「信玄に信濃と上野の指揮権を与える!直ぐに越後に進軍しろと伝えて、越後切り取り次第は撤回、駿河を代わりに与えると言って!」

「御意!」

俺の命を聞いた半蔵は直ぐに消えて居なくなった

「鳶!」

「はっ!」

またもやいきなり現れた鳶にもビビる二人

「越後の政景殿に暫く耐えよって言って、すぐ向かうと」

「御意!」

俺の命を聞いた鳶も直ぐに消えて居なくなった

「虎!この子達の怪我を治療してあげて、そして子供達の子守お願いね」

「はっ!お任せ下さいませ」

そう言って虎は二人を連れて行った

「猿!兄様に越後に散歩に行って来ると伝えておいて」

「御意!」

猿は信長の元に向かっていった

「熊、雉麻呂行くわよ!」

「「御意」」

犬が集めた織田の軍勢を連れて俺は越後に向かっていた

「どうせ、この辺に居るんでしょ?鴉・・・」

そう言っていたら数百人の火縄を持った集団が道にたむろしていた

「姫さん、つれないぜぇ」

俺を見つけると鴉は駆け足で近寄ってきた

「いると思ってたわ・・・」

「おっやっと俺達の気持ちが姫さんに伝わったのかよ、うれしいぜぇ」

鴉はめっちゃいい笑顔で話し出す

「もうさ、城に住んだら?野宿してるんでしょ・・・」

「あっ・・・」

恥ずかしいのか下を向く鴉

「だって・・・臭うもん」

「・・・住まさせてください」

そう言って両膝を土に付けて頭を落としていた


俺達が越後についた時には、殆ど終わった後であった

「流石、信玄ね!仕事が早い」

俺は信玄を見ながら話す

「丁度、越後の内乱の情報を手に入れておりましてな。侵攻しようと思っておりましたので」

「でもごめんなさいね。越後切り取りしだい撤回しちゃって・・・」

「いやいや、駿河を頂けるとあれば、越後などいりませぬ・・・はっはっはっ」

笑いながら俺に話す信玄

「姫様、越後の仕置、如何されるおつもりか?越後は謙信の残り香が強いですぞ・・・」

「政景に任せるわ。また内乱が起こったら三河のようにするだけよ・・・」

俺は冷めたように呟くと信玄は震えていた

「信玄、ちょうどいいわ。このまま東北まで散歩に行きましょうか」

驚いたような顔をして俺に話す信玄

「我で宜しいのですか・・・」

「戦国最強と歌われた武田と散歩なんて素敵じゃない?」

「そのように言われましたら気張らねばなりませんな・・・はっはっはっ」

「期待してるわよ。信玄!」

「お任せを!信春、兵を整えておけ!姫の前で武田の醜態見せるでないぞ!」

「御意!」

「ここからなら最上が最初かしら?」

そう言って俺は最上のある方向を見ていた

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