信長のうわき
信長がこの頃遊んでくれない
どうやら俺を連れ回した事で姫としての自覚が欠如したと思っているようだ
なんでわかったのかって?それは信長が連れ歩く郎党の一人を捕まえて吐かせたから確かな事実だ
今その男は大きな体を丸め込んで小さく見せようとしているが、無理だ無理
「おいっ犬」
俺はその大男に声をかける
「はぁいぃ、姫様もう勘弁してください、これ以上はもう信長様に殺される」
でかい図体して以外にびびりなのか
「兄様には言わないから、どこいるの兄様」
強い視線+足で犬の頭を踏んづける
「はぅ・・・吉乃・・・様の・・・」
吉乃だともうかもう違う女か
やるな信長うらやまぁ、いやいやちがうお濃さん泣くだろが、あんな綺麗で頭よすぎて、何やっても見透かすような洞察力をもったお濃さん、それか!それがつらいのか!信長それでも俺は鬼になる
「いつから」
「・・・・・・・」
足に汗がついて気持ち悪いが、足で犬の頭をぐりぐりと踏みつける
「はぅ三月ほど、ハハゥ前からで・・・す」
これ以上踏むとなんか違う液がつきそうな感じがして足を離す
「よし行くよ」
とろんとした瞳で俺を見ていた犬があわてたように声を出す
「へっまさか吉乃様のところですか!!!勘弁してくださいおねがいしますおねがいしますぅ」
ゴミを見るような目で犬を見ながら言葉を出す
「松に言うよ」
「いきましょう姫、お供します」
はじめからそう言えば言いのよそう言えば駄犬が!
そこからそっこうで吉乃さん宅に突撃訪問しようとしたらいるわいるわ
信長の郎党が!
「ひっ姫、どうしてここに!!!あっ利家裏切ったのか!!!」
小さな俺の後ろに隠れようとしている犬が郎党に見つかる
そらみつかるわ、もう少し考えろよ犬、松さん泣いちゃうぞぉ
「イイヤ、ソノ、ナント、イウカ、たすけてぇ~」
逃げ出そうとした犬を捕まえる郎党達、しかし暴れまわる犬に投げ飛ばされる郎党達
力だけは一級品だよ犬
「ところで、米」
俺とあまり変わらないくらいの背をした男に声をかける
「ひっ!!!」
「兄様は何処?」
米と言われた男は腰を抜かしたように地べたに尻を付けながら
「若は蔵が、内蔵助が!」
背中に火縄銃を抱えた男を指差した、指を指された男は慌てふためきながら頭を左右に振り続けている
「しりませぬしりませぬしりませぬ」
「はるにいうよ」
「こちらです姫」
こうして内蔵助に案内された場所には吉乃さんの膝枕で耳かきされて気持ちよさそうにしている信長がいた
「兄様、何してるんですか」
冷たい目で信長を見る俺
「なっ!!!なっ成政おまえぇうらぎったなぁ」
「ちっちがいます、しかたなかったんです、姫にはさからえませぬぅ」
「それをうらぎったちゅうんじゃ!!!ぼけっ」
威勢よく吼えてますが信長さんよぉ、膝枕ははずさないのね、威厳ないよ
「兄様、人の事は言わなくてもよろしい、お濃様に言うよ」
死にたいの?ってな感じを込めながら冷めた声で信長に伝える市
「いやぁ市それだけはそれだけは勘弁してくれ!!!頼む!後生だぁ」
そんなに怖いんならやらなきゃいいだろうにそんなんで天下取れんのか?
心配になるよ本当に
「じゃ今回だけは許してあげるその代わり」
「何でも言うこと聞くから、でも武将は無理」
ちっ駄目か、まっいい、薄皮剥がしていったる