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お市の天下  作者: 女々しい男
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長政

尾張、美濃が完全に統一され、信長が考案した、楽市楽座や兵農分離政策が軌道に乗り始めて、一時の平穏が訪れていた。そんなある日

「犬、暇いね」

寝そべってだらけきった状態で話しかける俺

「そうですなってか姫、色々見えちゃってますから!もう子供じゃないんですからしっかりして下さいよ、襲いますよ!」

手で目を隠しながら話す犬、お前指の間から見てんじゃねぇか、しかも襲うって俺、お前の上司だぞ

「んっ、襲ってもいいけど松に言うよ」

「この口が!!!この眼が!!!グァッ」

なんか口走りながら自分を痛めつけている犬、暑いからな脳みそ溶けたか

「でもさ~さすがに暑すぎるよね?山の頂上にいるのにさ。この暑さおかしくない?どうなの熊、あんたなら分かるでしょ、こんなに暑いもんなの?」

この稲葉山城あっ今は岐阜城だった、元城主に聞いてみる

「いや、この暑さは某も初めてで御座るな」

「そうなんだぁどっか寒そうなとこでも行くか?」

すっごく軽い気持ちで話してみたら

「「問題発生するから駄目!!!」」

おいおいハモッてるよ

「おとなしくお城にいなきゃ駄目ですって、下手に動き回って、浅井にばれたらどうするんですか!・・・クンクン」

俺の下着を洗いながら話す犬、嗅いでんじゃねぇよ

「そうですぞぉ。姫の体調が思わしくないからと婚姻は先送りされてるんですから、ばれたら浅井家に直行ですぞぉ!」

俺が脱ぎ捨てた服やら散らかった書物をせっせと片付けながら話す熊・・・まじめか

「まっ仮とはいえ同盟自体は結べたし、なんとかなるでしょ!」

「「ならねぇよぉ!」」


その頃、岐阜城正門に数名の武士が訪れていた

「待て!その方ら何処から来た、何用じゃ!」

門番が一人の若い武士に声をかけた

「これは失礼、某は北近江から来た。浅井新九郎長政と申す。断りも入れずの訪問申し訳ない。信長殿にお目通りしたい」

門番に軽く頭を下げながら話す長政

「えっはい!しばらくお待ちを!!!」

脱兎のごとく走り去る門番、その後一刻もせずに信長との面会が適う

「この様な山城にわざわざ来るとはな、用件はなんじゃ、わしの顔が見たいだけではなかろう?長政殿」

上座から見下ろすように話しかける信長

「くっ失礼を承知で申し上げる。同盟国の当主に対して、上座から声をかけるのが織田家の作法か!」

長政の後ろで控えていた男が声を上げる

「控えよ直経!」

「しかし、若」

「控えよと申しておる!」

それを見ていた信長は、笑いながら腰を上げて長政の前に座り込んだ

「当主となられたのか。長政殿それは失礼した。直経とやら許してくれぬか?」

「はっ、こちらこそ差し出がましい事を致しました。申し訳御座いませぬ」

直経は毒気を抜かれたような声を出した

「はい、つい先日家督を譲られ、浅井家当主となり申した。その挨拶もかねて参上したしだい」

頭を下げながら話す長政

「それだけではなかろう?市を貰いにきたか」

鋭い視線を長政に向ける信長。その視線には殺気すら生温い、覇気が込められていた

長政の後ろに控えていた者一名が、急に嘔吐するほどであった

そんな時、一人の女性が現れる

「尾張よりただいま着きまして御座います。お兄様」

若い頃のお市がそこにいた

「おうおう、今着いたのか。丁度よい!わしの妹、お犬じゃ」

長政がその美貌に心奪われた瞬間であった

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