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9話・「神藤会長は大変ご立腹のようです」

「「神藤会長っ!」」


「安西! 何故辞めるなどと言う! 認めんぞ、あんな退会届! 何か俺に不服でもあるのか!」


「えっ・・・あ、あの・・・神藤会長・・・」


 眉間にしわを寄せて神藤会長は安西さんに詰め寄って、安西さんは戸惑った瞳でオレに助けを求めてくる。


「ちょっと神藤会長、落ち着いて・・・安西さんの話も・・・」


「ん? 貴様は・・・グレート生徒会の! やはり中波融の差し金か! よくも安西を(たぶら)かしやがって!」


 えっ、えっ・・・ええぇぇぇ!


 神藤会長は怒りの矛先をオレに向けて、グッとオレの胸元をつかんだ。


「ちょっ、ちょっと待ってください! 誤解です!」


「黙れっ! グレート生徒会の言葉を誰が聞くかっ! 貴様らはいつもいっつも我々の邪魔をして、しかも今回はこのような姑息な・・・うぐっ!」


 突然後ろから、誰かが神藤会長の襟元を引っ張る。神藤会長の後ろに、栗矢と生嶋がいた。


「いい加減にして下さい、神藤かいちょー。どこまで空気ぶち壊せば気が済むんですか」


「栗矢・・・生島・・・何でここに・・・」


「もしかして、見てた・・・のですか?」


 オレと安西さんは顔を紅くして、恐る恐る2人の顔を見た。栗矢も生嶋も、不敵な笑みを浮かべてる。


「正確には、撮影していました。あそこの角に隠れて、携帯を使って」


 マジ・・・かよ・・・


「ちなみに、あそこにも」


 栗矢が指差した方向に、融会長とりささんが建物に隠れながらこっちをキョロキョロと見ていた。・・・はぁ。


 栗矢に指差された2人は、気まずそうに笑いながら近づいてくる。


「あはははっ・・・ははっ・・・」


「何やってんですか2人とも」


「光弥くんが心配だったからに決まってるじゃないか。メンバーの行く末を見守るのも、グレート生徒会の会長として当然の義務だ」


 偉そうなこと言って・・・どうせ2人とも野次馬気分なんだろ。


「別に、そんなのいらないですよ」


「けど、男らしかったぞ高橋♪『オレたちと一緒に・・・ここで頑張ってほしいんだよ(着色アリ)』・・・っ(笑)」


 くっ、生嶋・・・殴ってもいいよな! なっ、いいよな!


「安西さん。何かあったら、ちゃんと私たちに相談してください。同じSSSのメンバーなんですから。頼ってください。迷惑なんて思わなくていいんです」


「・・・はい。ごめんなさい、栗矢さん」


「だから、謝らなくていいって」


 生嶋が優しく、安西さんの肩を叩いた。・・・微笑ましいな。いい感じじゃん、SSS・・・


「ちょっと待てぇ!」


「・・・はぁ、今度は何なんですか神藤かいちょー」


「何なんだこのほのぼのした雰囲気は! 全く解せない! 天美、生嶋ぁ! 貴様らいつの間にグレート生徒会の奴らと仲良しこよしになってんだ!」


「そんな言い方はよくないぞ神藤くん。みんな仲良くが一番いいではないか」


「黙れ中波融! 貴様の指図など誰が受けるかっ!」


「うぐっ、やっぱり可愛げないな神藤くんは・・・」


「ふんっ、可愛げなくて結構だ!」


 ジリジリジリッ――――


 また始まった・・・この2人。だからキャラ被ってるって。


「あのっ! 1つ質問いいですかっ!」


 突然安西さんが大声で叫んで手を上げる。

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