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【城戸編235】ストーブリーグの鍵を握る男
「40億の凡打製造機」こと最弱イ軍の4番、城戸。
その名の通り10年40億の仰天契約にプロテクトされており、更改はほとんど形式的な物なのであるが、ここ数年、球団に訪れた際はマスゴミが殺到。番記者が入り乱れての大騒動となっていたものである。
「金額は分かってんのに、ウチを始め何で各社あんなに記者を出してんですかね。もしかして大物振りたいが為の、城戸さんの仕込みですか?」
とは、取材への道すがら、今年から地元紙の新スポに新卒入社した青年。城戸がどういう奴か分かってきたじゃねえか、と前置きしつつ、先輩記者は斜め上にも程がある真相を教えてあげるのであった。
「本人の契約よりも、チームメイトの年俸に対する寸評を聞きたくて仕方ないんだよ。こっちの期待を裏切らない『お前が言うな』的な勘違いコメントを量産して、毎年チームが炎上しまくるんだ。イ軍は野球が弱過ぎてプレーでは書く事が無いから、こういう地道なネタを作る…いや、拾ってかないと、番記者も苦しいんだよ」




