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【マウンドの詐欺師　神崎編⑤】不正統一球疑惑

　イ軍神崎にまたぞろ黒い噂である。

　今年から秘密裏にＮＰＢが統一球を差替えた事は周知の事実であるが、

「神崎が投げる試合だけは相変わらず球が重い」

　という打者の証言が後を絶たないのである。

　実際の所、神崎の投手成績は例年よりちょっとマシな程度なのだが、常に不正投球疑惑がつきまとっているだけに、今回の騒動はかなりの信憑性を持って語られた。

　また、神崎のサービス精神もこれに拍車を掛けた。

「何だよお前ら～。俺は潔白だっつーの！」

　と、マスゴミ連中を集めた上で投球練習を開始し、そこで投げた球が鉛玉、というパフォーマンスを敢行。

「あっ、何だこりゃ！　鉛玉を混入した奴がいる！　重過ぎ！」

　選手や心あるファンは大激怒、ネタに困っているマスゴミ大歓喜の、毎度の神崎節なのであった。

「これでしばらくは打者連中が勝手にタイミングを狂わしてくれるな。不正不正言うがなあ、あんだけ警戒されてる中で何度も投げられるかっての。せいぜい年に一回投げるか投げねえかで、相手が勝手に崩れてくれるんだから世話ねえやなあ藁」