イ軍監督VS地元警察
「球界の掃き溜め」最弱イ軍に不二村監督が就任してから一年。短気過ぎる性格でシーズン退場回数19の世界記録を打ち立てつつも、イ軍では久々にペナントレースを最初から最後まで戦い抜いた監督として、ネタ不足のスポーツ新聞が仕方なく取り上げる程度には話題になったものである。
この不二村監督、層が極端に薄い戦力にも関わらず、代打代走継投で早過ぎる仕掛けをしては、終盤コマに困るという糞采配の常習犯。だがしかし、自腹で幾度も「40億の不良債権」「世界の併殺魔」4番城戸をスタメンから降ろす(※城戸をスタメンから降ろすと1回200万の罰金が発生するという、とんでもない選手契約があるのだ)等、勝利への執念を評価する向きもあり、ファン受けはまずまずなのであった。
そんな不二村に対して、何故か地元警察がマークを開始。球団にも刑事が頻繁に訪れる等、異様な雰囲気となっていたのである。「パネマジ広報」白井が何かやらかしたのかと本人に突っ込んでも、
「いや、グラウンドじゃ確かに人に言えないような事もやってるが、一歩野球から離れりゃあ何もやってねえよ」
と、不二村自身も全く心当たりが無い状況なのであった。
一方その頃、地元警察で不二村捜査の指揮を執る某刑事――。
「あんな超弱い上に選手が言う事を聞かない球団で一年監督をやれるなんて、絶対シャブをやってるに違いないんだ。今はまだ証拠が出てないが、絶対尻尾を掴まえてやるからな」




