【イ軍編388】相手外野陣に本気を出させてしまうイ軍式鬼走塁
プロ野球開幕戦前日。
「セ界の白星配給所」こと最弱イ軍と対戦するマ軍では、外野手の特守が行われていたものである。「イ軍戦なんかフツーにやってりゃ勝てるんだから、そんなに必死にならなくても」と、誰しもが思ったのであるが、マ軍新監督の三木は完璧主義者で通っており、早くも自分の色を出した格好。練習を取材したマスゴミには、以下のように答えたものである。
「ええ、イ軍戦は絶対に取りこぼしが許されないですからね。何かインパクトのある事をやって、苦手意識を植え付けたいんです。奴ら、エア自主トレ&手抜きキャンプでまともに走れないから、外野へ飛んだ打球は全部封殺してやろうと思ってます」
だがしかし、三木の目論見は完全に空回りする事になる。
自主トレからほぼまともに体を動かさず相撲取りモードのイ軍ナインは、走塁以前にそもそもまともにバットが振れず。開幕戦で外野まで全く球が飛ばない惨状で、外野ゴロ作戦は不発。更には、「何かよく分からないけどマ軍必死だな藁」と、イ軍側にマ軍を呑んで掛かる空気が生まれ、シーズン通して意外な抵抗に遭う流れが発生。「余計な対策で墓穴を掘る」教科書に載せたいようなブーメランボールがキマってしまったのであった。




