【城戸編223】センター返し否定理論
少しでも出場機会を減らそうという首脳陣の画策で、今季から兼任打撃コーチとなった「球界の掃き溜め」イ軍の4番、「40億の不良債権」こと城戸。
大方の予想通り、指導はしないが指導者ヅラするという最悪&最悪のコーチぶりであったが、2軍から期待の長距離砲長森が上がって来た事で態度が一変。「長森はワシが育てた」と言いたいが為に、頼まれてもいないのにマンツーでの指導を開始したものである。
「長森は超不器用だから、センター返しを意識させときゃ適当に逆方向へも強い打球が飛ぶだろ」とばかり、壊れたレコーダーの如くセンター返しを連呼。実技指導に関しては、「ヒントは与えたからあとは自分で考えろ」と、最小限の投資で最大限の成果を得るスタイル(別の言い方をすると面倒だから手抜き)で、長森の育成にあたったのであった。
そして、しばらく経ったある日。
それまで200%引っ張り専門だった長森が、城戸の指導の賜物か、あるいは偶然なのか、実戦でのセンター返しに成功。痛烈な打球がピッチャーを強襲し、外野に抜けて行ったものである。
これに対し、城戸はベンチから一塁に猛ダッシュ。長森にマシンガン叱責を浴びせるのであった。
「おい! センター返しは時と場合を考えろや! 何でもセンターに打ちゃいいってもんじゃねえぞ!」
一方その頃、イ軍ベンチ。
「おいおい、自分がセンターに打て打て言っといて何をやってやがんだwwww」
「理不尽なパワハラキターwwww」
「長森も間が悪いんだよ。今投げてる奴は城戸のお得意様だからな、ピッチャー返しで怪我でもさせたら自分の打率が維持出来ないから慌ててんだろ」
「誰か速攻で長森に真相を伝えてこい! チーム内乱闘を起こして、止めるフリして俺らも城戸を頃しに行こう!」




