【城戸編⑧】辞めないで!
加齢による衰え、そして若い頃の鍛錬不足によるツケで力が落ち、もはや殆ど何も役にも立たない状態となっていたイ軍の主砲城戸。長期契約を盾に延々と現役生活を続け通した彼も、イ軍との10年に渡る長期契約が終了するタイミングで、遂に引退を決断するに至ったのであった。
イ軍広報部責任者の白井は「あんま金になりそうにねえから、やりたくないんだけどなあ…」とボヤきながらも、城戸の引退興行を大々的に企画。白井の予想に反して、「ようやく出て行ってくれる!」と、ファンたちはそれなりに盛り上がり、和やかな雰囲気で引退へのカウントダウンが進行していった。
だが、そんな中で、城戸の引退撤回を熱烈に訴える者たちがいた。
「城戸、辞めるんじゃねえ!」
その集団は完全に殺気立ち、怒号と睨みで城戸を殺しかねない勢いであった。
「お前の引退グッズが全然売れてねえんだよ! あと3年は引き延ばさねえと在庫でウチは潰れちまう! どんだけ人気ねえんだよ!」
そう、グッズ販売会社の社長以下社員一同。
城戸の事務所に乗せられて引退グッズを大量に仕入れたはいいが、城戸の不人気が原因で不良在庫を大量に抱えかねない状況に追い込まれていたのであった…。




