【イ軍編358】大物代理人もビビるイ軍年俸交渉
両打ち且つ、バッテリー含む全ポジションを守れる。ただし打守走全て平均以下という使い勝手の悪い便利屋、イ軍諸橋。しかしエア自主トレ&手抜きキャンプの影響で年中故障者が絶えない最弱イ軍にあっては、非常に貴重な戦力であった。
しかし、である。
諸橋は口下手が災いして、最強のコストカッターとして悪名高いイ軍GM柳澤との年俸交渉では、いいようにやられっぱなし。それなりに働いているのだから、もっと金が欲しいという考えの下、交渉を優位に進めるべく代理人を探し始めたものである。
だが、その頑張りも徒労に終わった。散々弁護士事務所を訪ねて廻ったものの、資料読み込みを下手段階で断られるケースが続出し、結局代理人をつける事すら出来なかったのである。
「うーむ、やはりウチのGMのエグい交渉は、代理人にも恐れられてるんだなあ…」
一方その頃、諸橋を断った弁護士事務所――。
「プロ野球選手の代理人なんて格好の宣伝になるんですから、受ければよかったじゃないですか」
「バーロー! その野球を知らない素人考えは危険過ぎるっつーの。改めて資料読み込んだけど、やる気無い&成績最悪のイ軍ナインを擁護するのは、シャブ中をクリーンですと言い張るレベルで厳しいんだよ。手間が掛かる上に実入りも少ないとなれば、受ける理由なんかないだろう。それに、イ軍と関わる事での風評被害も怖いしな」




