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【城戸編⑦】2軍志願

　イ軍城戸、まさかの２軍落ち志願！

　これまで散々、２軍落ちしてきたスターたちをディスりまくっていたとは思えぬ城戸の言動に、球界に衝撃が走った。

　理由は９月に入って、イ軍２軍が優勝争いしているという点。丁度左の強打者が故障で欠場中とあって、緊急補強の必要性が、あるにはある状況であった。

　城戸が、

「若い奴らに勝つ事の味を教えてやりたい」

　とのクサい台詞を臆面も無く放ったらしいが、関係者の意見は、

「奴は１軍での三割維持に必死」

　という見方で一致していた。

　消化試合の鬼として名高い城戸だが、シーズン終盤でペナント争いがもつれており（イ軍は当然のように蚊帳の外ではあるのだが）、取りこぼしの出来ない上位チームがイ軍戦も必死に勝ちにきている関係で、城戸の打率が急降下しつつあるのだ。２軍の若手のためなどと言いながら、単に今年の契約更改を見越して打率三割を何としてもキープしたい腹積りなのである。

　要は、美談仕立てにこそしているが、いつもの城戸のみっともないスタンドプレーなのであった。