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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
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悪夢編成

 何かの間違いであって欲しい。

 良識あるイ軍ファンの東京新宿スポーツの読者は、今日付けの夕刊を見て、心の中で激しく祈ったに違いない(あるいは誤植を疑い、自分の目がおかしくなったかと狼狽したかも知れない)。

 新スポはいつも日付以外嘘だらけなのだから(たまに日付にも誤植があるが)、今回もそうであって欲しい…。


「メジャー帰りの副嶋獲りへイ軍速攻アタック! 最高条件提示へ」


 メジャーから凱旋帰国する…と言えば聞こえはいいが、ストライクゾーンへの対応に手間取り、ついに放逐されてしまった実質落武者メジャー…の、副嶋獲得に、イ軍が本腰を入れて乗り出したというのである。

 副嶋といえば、日本にいた頃は首位打者3度の実績を持つオールスター常連の実力者であったが、いかんせん今年で37歳。メジャーで通用しなかった打撃も、日本でならまだイケるという説が有力ではあるが、急激な衰えが懸念される年齢である。加えて、協調性の無さでも有名であり、低迷球団に在籍していた期間が長かったからか、チームの勝利よりも自分の打撃を優先するきらいがあった。そんな不良債権化が危ぶまれる、死亡フラグ満載の選手を獲得しにいくとは。

「紳士たれ」を標榜する常勝球団へのカウンター意識からか、イ軍は、反主流、アンチヒーロー系の大物選手に固執する傾向が強かった。副嶋もその系譜に連なる選手で、歯に衣着せぬ独特の言動と一匹狼的な雰囲気に、熱心なファンも少なくないのだが…。


 かように微妙な状況ではあったが、イ軍ファンの絶望をものともせず、恐らくイ軍の実質単独交渉(他チームは常識的な金額しか提示しない可能性が高い)の上、高額契約がまとまってしまうのであろう。そして、その高額契約が足枷になり、まともなチーム編成がままならず、戦う前から負けているような惨状に陥ってしまう…。

 かつてイ軍で何度も繰り返された一連の流れであるが、全く懲りないチャレンジングな姿勢に、ファンは毎度の如く悶絶するのであった。

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