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【イ軍編355】最弱球団が情報武装した結果wwww

　プロ野球史上屈指の最弱球団、東京新宿イディオッツ。

　４年連続９９敗の大記録を更新中のイ軍であるが、今年は何かが違う。一新された首脳陣が、開幕直後からスコアラー室に頻繁に出入りし、様々なデータ提出をオーダー。今までに無い、データ重視の姿勢を打ち出しているのであった。

　これにはスコアラー陣も意気に感じるものがあり、

「今年は色んな注文が続いて、忙しいったらないぜ」

「ま、これで勝てるようになるなら、スコアラー冥利につきるがな」

　と、激務にも前向きに対応していたのである。

　一方その頃、イ軍コーチ会議――。

「ほら、データにもある通り、野手が打たないから投手が苦しくなって炎上するんだよ！」

「いや違う、投手が打たれ過ぎるせいで、野手がリズム掴めないんだわ。データにもはっきりと出てる」

　そう、今年のイ軍新首脳陣は、例年以上に責任転嫁の傾向が強く、データはその材料として悪用されていただけだったのだ。

　こうして、シーズン序盤から激しい内ゲバが勃発したイ軍は、自力優勝最速消滅へと猛チャージが掛かってしまったのである…。