【城戸編214】殺人熱愛
「球界の盟主」バ軍マスゴミ系列スポーツ紙編集部は湧いていた。
バ軍のスター熊倉と系列TV局の女子アナパンパン(実家がパン屋だから…念の為)の熱愛をキャッチ。身内と言えば身内のネタで若干のヤラセ臭はあるものの、久々の芸能系スクープである。明日の新聞は完売やで! と、編集部が盛り上がっているのであった。
だがしかし、前述のスクープに、まさかの「待った」が掛かったものである。出所はバ軍の広報部。無理を承知で発表を3日後にズラすよう、強い要望が申し入れられたのであった。
「一体どうなってやがんだ畜生! 3日も待って他紙に抜かれたらどうすんだよ!」
今回のスクープを取って来た記者は、非情指令に思わず無念の雄叫びを上げたものである。そんな彼を、事情を知る編集長は優しく慰めてあげるのであった。
「お前はよくやってくれたが、今回ばかりはタイミングが悪かったな。今日からイ軍3連戦で、凡打製造機の4番城戸には絶対に試合に出てもらわないとマズイ状況なんだ。城戸の野郎はパンパンの大ファンだから、記事が出ちまったら精神的ショックで確実に仮病欠場しやがるからな」




