表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
87/5131

【城戸編⑥】ナンパ術

 さて、イ軍の三大お荷物の一人、「チャンス以外では最強打者」の城戸である。

 得点圏での39打席連続無安打という、あまりの勝負弱さから、ついにベンチスタートとなった昨夜の試合。いつになく厳しい顔つきでグラウンドを睨んでいると思いきや、

「今日は不作だな」

 と、対面のスタンドにいる美人を物色しているだけなのであった。

 試合が佳境に入り、常に一方的に押しまくられるイ軍にしては珍しく緊迫した展開になったところで、城戸も動く。ベンチの連中の目がグランドに集中している隙に、何事かを密かにボールボーイに命じる。狙った女性ファンに渡りをつけるため、あらかじめ携帯番号を要求するナンパメッセージをしたためたサインボールを、ボールボーイに届けさせるのである。

 城戸の不自然過ぎるあからさまな動作に、長森ら一部の真面目な若手は「せめてバレないようにやれよこの野郎」といきり立った。しかし、彼らが抗議しようとするのをベテラン草加部が押し留め、一計を案じたものである。

 草加部は、城戸がスイングチェックと称してベンチ裏へ間食に向かうタイミングを見計らって密かに先ほどのボールボーイを呼び寄せ、ボールを受け取ると、サラサラと丸文字で何事かを書いて寄越して「このまま城戸に渡してくれ」と、言付けたのであった。


 果たして翌日、城戸は欠場。

 マネージャー情報によれば、尻痛で病院に行くとの事である。

「ニューハーフに人気のある奴ぁ、大変だねえ」

 城戸欠場の報を受けた草加部――昨日、タチのニューハーフの電話番号をボールに書いた――のすっとぼけたコメントに、ベンチ内では大爆笑が起こったのであった…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ