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【イ軍編312】打ち過ぎてはならないイ軍戦
毎年、激しい首位打者争いを繰り広げるマ軍岩崎とイ軍城戸。
その両名の直接対決となるマ軍-イ軍戦。イ軍の先発投手である北朝鮮系ベネズエラ人のチョ・マテヨがテポドンばりの制球難で初回から大炎上し、試合は早々に崩壊。マテヨの大爆発はイ軍リリーフ陣にも伝播し、3回の時点でマ軍が二桁得点を挙げる事態となったのである。
この状況に対し、打撃コーチを兼ねる岩崎の表情が徐々に硬化。次々に本塁へ帰ってくる自軍打者を
「ナイスバッティングだったぞ!」
と褒めながら、鬼の形相で睨みつけるのであった。
これには一軍昇格直後の若手が大困惑。野手最年長選手に岩崎さんは一体どうしたんですかと思わず問うたものであるが、返って来た答えは、バッターの業を嫌という程感じさせるものだったのである。
「岩崎の野郎、イ軍とやる時はいつもああなっちまうんだよ。こっちの打線が序盤であまりにも爆破し過ぎて試合の大勢が決まると、首位打者争いライバルの城戸がノープレッシャーで打ちまくっちゃうからな。コーチとしては○、選手としては×の状況に追い込まれちまうのさ」




