【城戸編191】炎のヒーローインタビュー
大便秘打線&爆炎投手陣の投打揃い踏みで、開幕から11連敗をマークし手堅く逆スタートダッシュをキメた「セ界のサンドバッグ」ことイ軍。
強豪バ軍戦で12連敗を阻止し、この暗黒ムードを救ったのは、意外にも「40億の不良債権」「自動アウト製造機」「世界の併殺魔」こと4番城戸であった。入念なエア自主トレ&手抜きキャンプでコンディション完全崩壊状態ながらも、振り遅れたバットが相手投手のチェンジアップをまぐれで捉え、センター前に抜けるタイムリーヒットに。これが決勝打となり、イ軍のエース相原が相手打線を0封し、今季初勝利となったのであった。
この予想外の事態に慌てまくったイ軍広報は、「あまりにも球場が盛り上がり過ぎて、声が聴けないファンもいるだろうから」として、突如、ヒーローインタビューの場所を変更。放送席へ城戸を連れ出したのであった。
「フッ、スーパースターは辛いねえ。たった一本のタイムリーで、球場をこんなに沸かしちまう。ファンも喜び過ぎておかしくなっちまってるし、スタッフ連中は大変だろうぜ」
等と、どこまでも自分に都合のいい世迷言を並べ立てながら放送席入りした城戸は、1時間に渡るゲロ長いヒーローインタビューを展開したのであった。
その後、イ軍「パネマジ広報」白井とその部下――。
「いやー、焦ったぜ。しかし我ながらいい判断だった」
「全くですよ。城戸さんがこの時期にまぐれとはいえタイムリーヒット打つなんて、誰も想像つかないですからね。あのままグラウンドでヒーローインタビューやってたら、バ軍ファンが乱入して大惨事になるところでした」
「また人を苛つかせる才能全開で、しょーもない事を延々と喋りまくるからなあ。ま、奴がお花畑脳で、マイクにスイッチが入ってなかった事を全く気付いてないのには助かったけどな」




