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【城戸編②】被長打量産
加齢と不摂生の影響でいよいよ外野守備が苦しくなり、一塁を守る事が多くなった城戸。
城戸の害…いや、外野守備――基本的にザルだがそのように見せない誤魔化しの技術だけは一流――が消滅した事で、イ軍の防御率は改善されるかに思われた。
しかし、意外な事に実態は真逆で、かえって被二塁打が増加し、通常の何割か増しで投手陣が炎上してしまったのだった。
「もしや、城戸が1塁からバッテリーサインをバラしているのでは?」
という、城戸スパイ説がスコアラーの中で飛び交ったが(真っ先にコレが疑われたのが、城戸の人望を物語っていた)、それはともかくとして、城戸の代わりに左翼に入った諸橋は平均をやや下回る程度の守備力で、どう考えても城戸より守備はマシである。
――一体何故?
イ軍スコアラー連は、被二塁打増加の確たる原因が、究明出来ないのであった。
その頃一方、他球団選手ロッカー。
「城戸の野郎がいる一塁なんか絶対行きたくないからな」
「ああ、あいつのウザ過ぎる話を聞かされたくねえから、皆必死こいて長打を狙いまくってるよ(藁)」




