720/5142
【イ軍編236】オープン戦全敗でファン大歓喜
「球界の掃き溜め」ことプロ野球屈指の最弱球団東京新宿イディオッツ。
そんなイ軍であったが、今年は春先からエンジン全開。オープン戦終盤の時点で未だ白星無し、貫録の全敗を狙える位置につけていたのであった。
もともと投打に圧倒的な戦力不足の上に、選手の意識も最底辺。むしろ今まで全敗した事が無いのが不思議な程であったが、この事態にファンも全力で大ブーイング――――するでもなく、何故か大歓声を送るのであった。
「今はいいんだよ、オープン戦の内に、負けまくっとくべきなんだよ」
「うむ、エア自主トレ&手抜きキャンプで仕上がった体で、勝てるワケが無いからな」
「ここまで徹底的にやられ尽くせば、さすがに奴ら(イ軍ナイン)も目が覚めるだろう」
一方その頃、イ軍ナインは、
「いいんだよオープン戦なんて。こんなとこで勝っても意味無いんだから」
「シーズン入ったら本気出す」
と、何も気にしていないのであった。




