【イ軍編217】イ軍限定消える魔球
今年もオープン戦の季節がやってきた。
「セ界のサンドバッグ」こと最弱球団イ軍は、マ軍と対戦。当初、マ軍の先発はエース桑原が予定されていたのだが、体調不良により急遽プロ6年目で勝ち星の無い猪狩に変更。この事態を受けて、
「これなら打てる…いや、ファンが沢山来るから顔を見せとかないとな」
というしょーもなさ過ぎる打算が働き、「40億の凡打製造機」城戸以下、イ軍は主力打者がほぼ全員ラインナップに連なる打線となったのであった。
だがしかし、プロ生活終了待ったなしの猪狩が、ここで凄まじい投球を見せる。
昨年から取り組んでいた落ちる球を実戦投入したのであるが、イ軍打線は空振りの山を築き、手も足も出ず。終わってみればオープン戦とはいえ5回を投げて11奪三振の快投を演じたのであった。
試合後、マスゴミの取材に答えたイ軍ナインは、
「(強力イ軍打線を抑えて自信を持つだろうから)猪狩はワシが育てた」
「急にボールが落ちたので」
「球が全然見えなかった。違法投球、ダメ絶対」
等と、それぞれの表現で猪狩を褒め称えたのであった。
一方その頃、猪狩はマ軍投手コーチに釘を刺されていた。
「おい、今日の投球は確かに悪くなかったが、決して良くもなかったぞ。三振取れまくったのは、あくまでも腹が出過ぎたイ軍打線の視界が極端に悪かっただけの事だからな」
そう、例年エア自主トレ&手抜きキャンプでこの時期は太りまくっているイ軍ナインであるが、今年は雨が多かった影響で更に練習せず、前年比2割増しで肥満体となっていたのである…。




