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【イ軍編204】若者は直球を投げろ
春先のサ軍―イ軍戦。
サ軍先発は昨年のドラフトで加入した大型新人井本。初回から多彩な変化球を投げ分け、初回を3者凡退に抑えて順調な滑り出しと思われたが、バッテリーを組む超ベテラン捕手沢渡は大激怒。頻繁にマウンドに向かい、井本を激しく叱責しているのであった。
この謎の光景を見たイ軍ベンチでは、
「フッ、沢渡の野郎、新人が打たれたら自分の責任になるからって、テンパってやがる」
「ま、相手が強打線の俺らだからな。警戒する気持ちも分からなくはないぜ」
と、相も変わらず上から目線のドヤトークが繰り広げられるのであった。
一方その頃、マウンド上のサ軍バッテリー。
「おい! 変化球は投げるなって何回言わせんだコノヤロ! エア自主トレ&手抜きキャンプで仕上がってるイ軍打線なんか、適当に直球投げときゃ絶対抑えられるっつってんだろ! 変化球の無駄遣いしてんじゃねえっつーの! 他球団(イ軍以外セリーグ4球団)のスコアラーに手の内晒すような真似は止めろってんだよこん畜生!」




