【統一球編②】グリムス、NPBを訴える
NPBが、飛ぶボールを飛ばないボールと偽って事実を隠ぺいしていた統一球問題。
選手の中でも、打撃成績で年俸が左右されてしまう野手は怒り心頭になった者が多かったが、とりわけ激しかったのがイ軍の外人打者、グリムスである。
試合前の練習中、一報を耳にするなり、
「O―――――――――――――――――――H!!!!!!!」
天を仰ぎ、世界が終ったかのような悲鳴を上げ、その場にくずおれた。
かと思えば、
「歌藤ファック!!!!」
と、コミッショナーを呪うNGワード50万連打で、気が触れたような有様であった。
ややあって、落ち着いたところで、
「俺は歌藤コミッショナーを訴える」
と、殺気立った目でマスゴミに向けて語ったものである。
曰く、
「飛ばないボール対策で、大枚はたいて『飛ぶバット』を1年分注文してしまった。NPBが事実を公表してれば、大損こかずに済んだんだ。歌藤の野郎にはきっちり落とし前つけて貰うぜ」
図らずも不正バット使用を自らゲロってしまうあたり、流石掃き溜め球団イ軍の選手であるとしか言いようのない、おマヌーなオチがついてしまったのであった。




