【イ軍編194】ビッグマウス、駄目ゼッタイ!
社会人野球からバ軍にドラフト1位で入団した投手桑島。
初年度から10勝は固いと評される程の逸材であったが、態度がデカい事でも有名で、入団会見の席上、早速ぶちかましたものである。
「一番対戦したい打者? そうですね、イ軍の城戸さんですかね。(40億の併殺マシンとか)何だかんだ言っても首位打者獲って10年連続3割打ってますし、日本じゃ最強のコンタクトヒッターでしょう。ホームラン打つ人よりも、当ててくる人の方から三振取りたくなるんですよね。そっちの方が難易度高いですし。まあでも、俺クラスの実力なら、城戸さんから全打席三振取れそうな気もしてますがね」
と、イ軍の城戸をネタにしたビッグマウスを展開。会見を大いに盛り上げたのであった。
一方その頃、中継を視聴していたイ軍監督不二村と「パネマジ広報」白井――。
「かーっ、この桑島って野郎、噂以上のやり手だぞ。この会見だけでイ軍戦の勝率を爆上げさせやがった」
「は? 何で? ただのビッグマウス野郎じゃないの? よくいるじゃないの、こういうちょっと実力があって小生意気な若い奴」
「バカヤロ! そんなレベルじゃねえよこの桑島は。あれだけ三振取る取る挑発しまくって、城戸の野郎が意地にならないワケがねえ。いつも以上に当てるだけのバッティングになって、確実に併殺取られちまうぞこれ」




