【城戸編169】ちょっとでも審判に抗議すると秒速で監督が駆けつけてくれる球団の宝(迫真)
最弱球団東京新宿イディオッツが「球界の盟主」バ軍本拠地に乗り込んでの一戦。
初回、1死一・二塁の場面で打席には「世界の併殺魔」ことイ軍の4番城戸。案の定というか期待通りというか、中途半端なスイングから放たれた力の無い遊ゴロで、6→4→3のダブルプレーが完成。かと思いきや、二塁手がジャッグルした事で、打者走者城戸が一塁セーフか否か、際どいタイミングとなった。
しかしながら、一瞬迷う風でもあったものの、審判の判定は無情にもアウト。この判定に対し、今シーズンは併殺数に応じて逆インセンティブ(=罰金)が付くとあって、城戸が猛烈かつ執拗な抗議を展開したものである。
その様子をイ軍ベンチは冷笑と共に鑑賞していたのであるが、城戸と最も折り合いの悪い筈の監督不二村が遂に立ち上がった。一塁に到着するや否や、開口一番、
「おいコラ! バ軍ばっか贔屓してんじゃねえぞこの野郎!」
と、塁審を怒鳴り上げたものである。
年がら年中いがみ合っている不二村からのまさかの援護に、
(フッ、監督は辛いねえ。どれだけ俺の年俸4億が羨ましくて嫉妬してみようが、4番打者が抗議してるとなりゃ、助けに来ざるを得ないんだからなあ)
以上の如くどこまでも自分に都合のよい感想を抱いた城戸であったが、当然不二村は、城戸の援護などという事は全く考えていないのであった。
「こんだけワケの分からねえ抗議をしてる城戸を何で退場にしねえんだ! 城戸を退場にしないで併殺打たせてバ軍を勝たせようったって、そんなのは俺が許さねえぞ畜生! いいから早く城戸を退場にしろ!!!!」




