【イ軍編187】銭闘民族イ軍ナイン
今年も5年連続99敗をマークし、貫録のぶっちぎり最下位フィニッシュでシーズンを〆た東京新宿イディオッツ。
そんな惨状にも関わらず――いや、逆に最下位なればこそ――イ軍ナインが自分の年俸を下げられてたまるかと本気を出した結果、契約更改で激しい銭闘が続出。本業の野球でそのぐらい頑張ればもっと違っただろうにという凄まじさで、一歩も引かぬ徹底抗銭の構えを取ったものである。
これには球団側も大激怒。粛清の嵐が吹き荒れるかと思われたが、一転、イ軍ナインらが提出した分厚い資料を前にして、「確かにお前らの言い分も分かる。じっくり精査して、こちらの結論が出た段階で連絡する」と、えらくしおらしい言動で、緒戦は実質選手側の大勝利で終わったのであった。
かに見えた。
しかしながら、最終的には選手側から「やっぱ初回提示額でいいから、早く契約してくれ!」という悲鳴のような要望が続出。
というのも、球団側が、イ軍ナインが提出したインチキ資料の読み込みに時間が掛かるとして牛歩戦術を展開。交渉再開日を引き延ばしの上に引き延ばし、ほぼ全員越年からの自費キャンプへと追い込んだからなのであった。




