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【イ軍編178】タカさんをコーチにしよう!
「タカさんをコーチにしよう!」
という、ベテランスコアラーの高梨を打撃コーチに担ごうとする一大ムーブメントがイ軍内で発生。「40億の自動アウト製造機」こと4番城戸が発起人となったこの動き、『外部から人を連れてくるのではなく、長年スコアラーに携わりチーム内を熟知している生抜きが指導者になるべき』という題目の下、普段は犬猿の仲である野手・投手が一致団結して運動に励んだものである。
「お、お前ら…。最近は何やっても勝てないからテキトーな捏造データしか出してない俺にここまでしてくれるなんて…」
イ軍ナインの必死の運動に、思わず目頭を熱くする高梨であった。
一方その頃、イ軍ナイン――。
「今度ばかりは絶対にタカさんをコーチに捻じ込まねえとな」
「ああ、今オフは落ち武者メジャーをアホみたいな高値で獲得しちまってるから、コーチは無名の安い奴じゃないと、俺らの年俸とインセンティブ設定が圧迫されちまうからな」
「その点、タカさんなら確実に安く買い叩かれるだろうし、コーチになってもイエスマンだからこっちに何も言ってこねえだろうしな。一石二鳥って事よ」




