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【クローザー矢車編③】完投特効薬
イ軍先発真壁が7回途中まで無失点で好投。
しかしながら、毎度のスタミナ不足で無死満塁のピンチを招き、
「早くリリーフを出してくれ!」
とばかり、何度も何度もベンチに視線を飛ばしまくるのであった。
「あの野郎は仕方ねえなあ」
監督不二村がマウンドに登り、真壁に対して何事かを呟く。
真壁は「そりゃねえだろ!?」とばかり派手なジェスチャーで天を仰いだ。
結局、真壁続投。
7回はまさかの3者連続三振で切り抜け、さらに9回にあわや逆転のピンチを背負ったものの、何とか気力で完投勝利を挙げたのであった。
試合後、マスゴミからインタビューを受けた不二村は、得意げに語ったものであった。
「真壁の野郎に何を言ったかだって? 降ろしてやってもいいが、昨日の試合でリリーフを使い尽くしてるし、5連続セーブ失敗の矢車を投げさすしかねえぞって言ってやったんだよ。そうしたら『勝ちを消されてたまるかよ!』つって奴の尻に火がついたのさ」




