【城戸編161】過激派ご都合原理主義者
プロ野球最弱球団東京新宿イディオッツにあって、勝負所での併殺を繰り返してはチームを敗北に導いている「自動アウト製造機」「ミスターダブルプレー(※打つ方)」こと4番城戸。
開幕から一か月経過しようかというタイミングであったが、調子が上向く気配は全く無く、ひたすらに凡打を重ねているのであった。
そんな城戸に対し、申し訳程度の応援と容赦の無いブーイングを浴びせまくっていたイ軍ファンであったが、あまりのSSS級戦犯っぷりに、遂にガンギレの上にガンギレ。抗議の意を示すべく完全無視、ブーイングのボイコットを敢行したのである。
イ軍ファンからのブーイングを、「あいつらツンデレだから」と、声援の裏返しとおめでた過ぎる勘違いをカマしている城戸であったが、無音となれば、さすがに何かを気付くのではないか。しかし、そのようなイ軍ファンの淡い期待は、城戸の想像を絶するご都合主義思考の前では、何の意味もなさなかったのであった。
「ファンの奴ら、俺の時だけ鳴り物を止めるなんて粋な事をしやがるぜ。『城戸さんは大打者過ぎて実質メジャーリーガーみたいなもんだから、応援もメジャー式で行こう』という、俺をリスペクトする思いがビンビンに伝わってきたよ」




