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イ軍流若返り編成術
城戸や勢田ら、高年俸とプライドに実力がついていかなくなったベテラン選手を偏重するイ軍の方針に、ファンの我慢は限界を突破してしまった。一連の騒動は親会社の商品の不買運動にまで至り、遂に球団も決断せざるを得ないところまで追い込まれてしまったのであった。さしものベテラン好きイ軍球団社長も、こう言ったものである。
「来季は若返りを加速させる。彼らをフォローするベテランも、適材適所で契約する」
ようやく重い腰を上げた球団(この期に及んでまだベテラン言ってるが)に、ファンたちは疑念を抱きつつも、概ね支持を表明したものであった。ようやくこれでくたびれたロートルの無気力プレーから解放される。来季は若手の溌溂としたプレーを見守る事が出来る…。
しかし、ファンの考えは甘かった。
来季の陣容は、確かに若返った。だが、単にベテラン連中を1、2歳若いだけの別のベテランに差し替えただけで、何ら抜本的な改革にはなっていないのであった。球団の「ベテランを入れておかないと不安でしょうがない病」の病根は異常なまでに根深いものだったのである…。