【イ軍編166】ドラフトお祈りレター
今年のドラフト指名8人中、早くも7人が入団拒否。
「球界の掃き溜め」こと、目下4年連続90敗台をマークしている暗黒球団東京新宿イディオッツ。若手破壊に定評のある「100万ドルコーチ陣」他、悪評が悪評を呼ぶ泥沼スパイラルの影響で新人から敬遠されまくり、今年のドラフト戦略も、ほぼ完全崩壊の様相を呈しているのであった。
そんな中、イ軍から指名された8人の中で、ただ一人入団拒否をしていない高校生の親から、イ軍編成部に非常に丁寧な礼状が届いたのであった。
開封一読、
「指名されて感謝されるなんていつ以来だろうなあ」
「これだけ性格のいい親の子供なんだ、プロでしっかり努力して大成するかもな」
「こういう印象のいい選手は、何かあった時に俺らも助けてやりたくなるわな」
と、思わされただけに、礼状の結びへと至る衝撃は、バンジージャンプ並に肥大化してしまったのであった…。
『――イ軍さんにしか指名されなかったという事で「俺の実力はここまでだったんだな」と、息子も野球に諦めがつき、大学進学を目指すと申しております。イ軍さんのお蔭で、親の我々が望む、堅実な方向への人生の軌道修正が出来ました。ありがとうございました。イ軍さんの今後のご活躍をお祈り申し上げます』




