【イ軍編160】スター投手加入でイ軍投手陣崩壊
毎年閑古鳥が絶叫するレベルでマスゴミ&ファン不在の不人気イ軍春季キャンプであるが、今年は違った。何年振りかで、正真正銘のスター投手――――元サ軍のエース沖野――――が、今年から戦列に加わっているのである。
沖野と言えば、通算150勝をマークしている大投手であり、日本シリーズMVB獲得歴もあるなど、勝負強さも一級品。しかしながら、監督やコーチに対して歯に衣着せぬ言動が災いし、38歳で故障持ちという状況もあって、遂にイ軍に島流しの憂き目に遭ったのだった。
現役生活も晩年に差しかかっている沖野であったが、そのカリスマ性や華のある佇まいは健在。たった一人で、キャンプ地に多数のマスゴミとファンを引き付ける集客力を見せつけたのであった。
スター沖野も、前述の自分だけが注目を集めまくるフィーバーっぷりに気を良くしたものか。イ軍首脳陣からは、故障明けという事で軽めの単独調整を申し渡されていたものの、
「そんな気を遣わないで下さいよ。俺も皆と一緒に練習します」
と、突然のブルペン入り。
「おいおい、ちょっと待てよ!」
慌てて制止する投手コーチを黙殺し、ついてきた多数のマスゴミ、ファンの前で、気合のこもった投球練習を開始したのであった。
そして、これに刺激を受けたのが、普段は誰も見ていない中で漫然とダラダラ練習を繰り広げるイ軍投手陣である。沖野を追うマスゴミやファンたちに、
「俺らも見やがれ!!!!」
とばかり、俄然必死のアピールを展開。例年には絶対有り得ない活気あるブルペンに、
「これが沖野効果だな。イ軍はホントいい補強したわ」
と、訳知り顔に頷くマスゴミ陣なのであった。
だが翌日、前述の沖野効果とやらは最悪の結果で実を結んだのである。
「かーっ! 沖野の野郎! だからしばらくは単独で練習しとけっつっといたのに畜生!!!!」
監督不二村がこのように絶叫するのも、無理からぬところであった。
沖野が引き連れたマスゴミ&テレビカメラにいいところを見せようとして全力で頑張ったイ軍投手陣であったが、エア自主トレでキャンプインしている、たるみまくった体が、耐えられる筈も無かった。
こうして、エース相原、神崎を除く投手全員が二日目にして総ダウン。イ軍投手陣はキャンプ二日目にして、早くも崩壊の危機に直面してしまったのであった…。




