【アームブリスター編⑪】明日へ架ける走塁妨害
時は9月。
シーズン終盤に入り、日本球界生き残りを賭して、イ軍の新外人アームブリスター(以下ブリ)のツーケーも大炎上。「もっと最初から本気出しとけよ」と散々突っ込まれながらも、あらゆる汚い手を使って成績を上げようと必死なのであった。
そんな状況下で行われた、世間的には本当にどうでもいい消化試合のマ軍―イ軍戦。
ブリの第一打席で、事件は起きた。初球、セーフティ狙いのバントで、打球は一塁へ。若干勢いが付き過ぎており、マ軍一塁手佐渡が捕球して楽勝アウト――――と、思いきや、突如佐渡が不自然に態勢を崩し、打球をポロリ。その横を猛然とブリがすり抜け一塁ヘッドスライディング。ブリのワザとらしいヘッスラに気圧されたか、公式記録員の判定は内野安打。電光掲示板のHランプ点灯を確認したブリは「ヴォウ!!!!wwww」と雄叫びながら寝転がりまくる、勝利の高速ゴロゴロを披露したのであった。
さて、これに「守備妨害だ!」と物言いをつけたのは、マ軍一塁手佐渡とマ軍一塁コーチである。審判4人が集結し、早速ビデオ判定に持ち込まれたところ――――2名爆笑、1名微笑、1名ノーリアクション。
こうして、ブリが一塁へダッシュしながら佐渡へかました、佐渡が大好きな某芸人の物真似顔芸が審判支持率75%(微笑は支持に含む)を得た事で、「あんな事されたら絶対笑ってまともにプレーが出来なくなる」という判定により晴れて守備妨害が成立。芸も使い所を誤れば身を助けないという、貴重な教訓を残したブリのプレーなのであった。




