【城戸編150】城戸vsイ軍! 仁義無き首位打者争い
セリーグの優勝争いもいよいよ大詰め。「球界の盟主」バ軍と、球界最強打線を誇るマ軍が、ゲーム差0、勝率も全く同じで並んでいたものである。
そんな緊迫した状況の中、バ軍はイ軍と、イ軍本拠地東京新宿スタジアムで対戦。
バ軍側は「消化試合の鬼軍団」と化した難敵イ軍(※ただし9月に限る)と戦いつつも、サ軍と対戦しているマ軍の試合経過についても、逐一チェックをしていたのであった。
オーロラビジョンでは、マ軍打線がサ軍投手陣をフルボッコにしている場面を執拗にリプレ上映。さすがはアンチバ軍のGMがいる球団と、一部マニアを唸らせる心憎い演出で魅せてきたものである。
以上の、バ軍にとってはアウェーもいいところの煽り演出に対し、イ軍の4番「40億の不良債権」こと城戸が、打席に向かう途中でオーロラビジョンに向けて激しい×マークジェスチャーを連打。「おいコラ! みっともねえ真似はもう止めろ!」と、自軍のしょーもなさに自粛を促す怒鳴り声を上げたのであった。
これにはスタンドの観客も騒然、
「おい、城戸が紳士になっちまった」
「いや、顔だけ整形した別人なんじゃないのか」
「地球滅亡フラグの可能性あるで」
等と悪態を付きながらも、城戸のフェアプレーを求める姿勢に対し、静かな感動が拡がったのである。
等という綺麗な状態のままでは、やはりオチなかった。
「おい! お前らそんなに俺に首位打者取らせたくねえのか! さっきから大崎が打ってる場面ばっか繰り返し流しやがって、いい加減マジでプレッシャーなんだよ!!!!」
そう、バ軍へ気遣いなど、城戸の頭にはハナから一㍉も存在していなかった。セリーグの優勝争いなどは完全に興味の対象外、首位打者争いをしているマ軍大崎の打席だけにしか興味無うという、やはり城戸はどこまでも城戸、フォア・ザ・ミーに徹する個人事業主の鑑というだけの話だったのである…。




