【城戸編149】城戸vsイ軍ナイン! 首位打者を巡る仁義無き戦い
シーズン終盤、セリーグの首位打者争いもいよいよ佳境に入っていた。
タイトル争いを繰り広げている「40億の不良債権」「消化試合の鬼」ことイ軍の4番城戸も、いよいよラストスパートに突入。勝負を決める一打を放つという4番の仕事を完全に放棄し、自らの首位打者獲得の為だけに、全打席バント安打態勢に入ったのであった。
各球場のグラウンドの特質、及び相手チームの守備力を計算して次々とインチキ臭いバント安打を決めまくる城戸。驚異的なペースで打率を上げ続け、タイトル奪取がいよいよ現実味を帯びてきたものである。
そんな状況で、タイトル獲得による城戸への高額インセンティブ発生(それに付随する球団総年俸原資の激減)を何とか阻止しようと、イ軍ナインが立ち上がった。違法用具商人リバースを金で寝返らせ、ある作戦を実行したのである。
果たして、前述の作戦の成果はすぐと現れた。
2回裏無走者での第一打席、自らを高める為、バントの構えのまま打席に入った城戸への初球、勢いを殺される筈の打球が――――エライ勢いで飛んでいったものである。
「よしゃ!!!!!!!!」
物の見事に作戦がハマり、狂喜乱舞するイ軍ナイン。
そう、城戸の打席にワザと飛ぶボールを仕込み、バント安打を単なる内野ゴロにしちまおうという、ある意味で球界随一の卑怯者である城戸に感化されまくった、何ともしょーもない作戦なのであった。




