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【グリムス編①】小技
ダ軍の二軍球場で、新外国人候補グリムスの入団テストが始まった。
抜け目ない守備、走塁のスペシャリストという触れ込みであったが、打撃練習で、観衆の度肝を抜いたものである。
何と9割の打球をスタンドインさせながらもセンターを中心に両翼に綺麗に打ち分けるナチュラルな打撃で、凄まじいばかりの実力を見せつけたのであった。
テスト終了後、首脳陣との最終面談。
話題は打撃に集中し、一体どうやったらあのような打撃が出来るのかと、グリムスへの質問攻めと相成った。
グリムス、淡々とした様子で言ってのけたものである。
「凄いだろ? どう見ても木製バットだが、実は金属バットを使った。そういう抜け目なさ、騙しのテクニックを買ってもらいたい」
「な、何だって!?」
「スゲー全然気付かなかった!」
ダ軍首脳陣に衝撃が走る!!!!
が、当然不採用になったという…。
一方、話を聞きつけたイ軍は、速攻で採用した。