【イ軍編130】野球の話が出来ない野球中継
「球界の掃き溜め」こと東京新宿イディオッツの試合を中継する某地元ラジオ局。
今年の春に入社した新人が実況デビューするにあたり、先輩から諸々アドバイスをもらったものである。
曰く、
「野球のネタはもちろんだが、それ以上に時事ネタを仕入れとけ。これといった出来事がなけりゃ、雑学ネタを大量にストックしとくんだ。イ軍戦はそこが生命線になるからな」
と、予想外の内容。
野球の試合で時事ネタや雑学とはこれいかに、と、戸惑うばかりの新人アナであったが、実況の現場で疑問は氷解された。
何せ「プロスポーツ史に残る最弱軍団」と悪名高いイ軍、この日も北朝鮮系ベネズエラ人の先発チョ・マテヨが大炎上し初回いきなり6失点。後を継いだリリーフも延焼しまくりで、イ軍にはよくあるサンドバッグ展開となったのであるが、こうなると困るのは実況である。
地元スポンサーが付いている手前、実況担当はイ軍贔屓のスタンスを徹底せねばならぬのだが、実際のプレーでいいところがまるで無い為、提灯コメントを出したり希望的観測を述べるのにも限度がある。実質野球の話が出来ない状況で間が持たなくなってしまう為、イ軍戦の実況中継では、なし崩し的に時事ネタ等を大量投入せざるをえない流れになってしまうのであった。




