【城戸編142】日米首位打者談義
かつてメジャーのカージナルスで四番を打った事もある超大物外人グスタボ。現在はマ軍に所属し、打撃三冠を取りかねない程の猛打を振るっているグスタボだが、イ軍との試合前、謎の行動に出た。打撃練習をしていたイ軍の四番「40億の不良債権」「世界の併殺魔」こと城戸に、おもむろに話し掛けたものである。
言葉が通じず意思の疎通など出来る筈のないグスタボと城戸であったが、互いに首位打者経験がある程の一流バットマンである(城戸のタイトルはなんちゃってであり、一流云々はあくまでも自称であったが)。身振り手振りでの野球談議は大変に盛り上がり、途中からは城戸がグスタボに打撃を教えているかのような様相を呈していたのであった。
その後、マスゴミが前述のやり取りの内容を城戸に取材したのであるが、
「まあ向こうは英語とスペイン語で話すから何言ってんだか分からなかったけどよ、日本で首位打者4度の俺の打撃には興味津々だったみたいだな。色々と教えてやったよ」
等々、現状の自らの不振(ほぼ全試合四番で起用されながら夏場に来て打率2割未満、僅か1本塁打)の事など忘れてしまったかのように、マシンガンリップサービスに余念が無いのであった。
一方その頃、グスタボと通訳の会話――。
「いやあ、城戸が何話してるのかは正確には分からなかったんだが、彼の打ち方は非常に参考になった。これでオフに、息子が所属してるリトルリーグの手伝いの時に、絶妙な併殺コースへの打球が飛ばせるようになりそうだ」




