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【城戸編140】大打者ボール
シーズン終盤、優勝争いもいよいよ大詰め。
激しく首位を争うサ軍が、7月末の時点で既に消化試合に突入していたイ軍を本拠地に迎えての一戦。
何としても優勝をと殺気立つサ軍ファンに圧倒されたか、審判団が完全にサンパイアと化してしまい、イ軍ナインにことごとく不利な判定を連発。しかし、何故か「40億の不良債権」「アジアの空砲」こと4番城戸だけは、際どいコースに決まった球を全てボールに取ってもらっているのであった。
「フッ、審判の連中、サ軍に有利な判定をしないと殺されそうな状況でも、俺クラスの大打者には思わず気を使っちまうらしいな」
とか何とか言いながら、ど真ん中の球をあっさり併殺にして凡退する城戸。
その城戸の姿を見て、球審は思わず一人ごちるのであった。
「高確率で併殺が期待出来る城戸だけは、むやみに三振させちゃあマズイからな…。全くサンパイアも楽じゃないわ」




