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【イ軍編121】甲子園をぶち壊すプロ野球団
夏の甲子園決勝、DL学園対提京高校。
それぞれ、宮田、堂上というドラフト1位候補のスーパーエースが先発したこの一戦、緊迫した投手戦になるとの大方の予想を覆す、信じられない光景が展開された。
両投手とも本調子に程遠く、速球は140kmに届かず、制球も定まらない。双方が早々に大量失点を喫し、とんでもない大凡戦と化してしまったのである。
これには好試合を期待していた観客も大激怒。
そして、その怒りはこの惨状を招いた「球界の掃き溜め」ことプロスポーツ史上でも稀に見る最弱軍団こと東京新宿イディオッツの球団事務所への抗議電話という形で結実したのであった。
「おいコラ! お前んとこの社長が『今年は勝ち運のある投手が欲しい。優勝した方の投手をドラフト一位で指名する』とか宣言しちまったもんだから、お前らからの指名をビビって宮田と堂上がワザと打たれてんじゃねえか! 最高の名勝負をこんな糞試合にしやがって、どうしてくれんだよコノヤロ!!!!」




