【イ軍編120】4番城戸を外す勇気
シーズン序盤の大型連敗が響き、7月の時点で早くもペナントが消化試合と化したイ軍。
折からの酷暑もあり、贔屓チームの選手がイ軍をフルボッコにする様子を見たい他球団ファンも球場から足が遠のく状況で、観客減少に歯止めを掛けるべく、とんでもない企画が実行されたものである。
「イ軍を指揮するのは君だ!」
という、アプリをスマートフォンにインストールしたファンの多数決でイ軍の采配が決まってしまう、イ軍監督不二村が退場による出場停止になっているタイミングでの、投げ槍過ぎる試みなのであった。
これには普段散々「糞采配!」とイ軍首脳陣をなじりまくっているイ軍ファンも大喝采。「俺が勝たせてやるよ」とばかり、続々とアプリを落としまくったものである。
だがしかし、試合開始前の時点で、イ軍ファンたちは不二村の苦悩を思い知らされる事になる。
「おい!!!! 何でここで金が掛かっちまうんだよゴルァ!!!!」
そう、「40億の不良債権」ことSSS級戦犯の4番城戸をスタメンから外そうとすると、「契約条項から、罰金が取られる采配になります。大丈夫ですか?」の音声と共に、100万円をアプリ実装人数で割った金額が表示。城戸が前オーナーを騙くらかして結んだスタメン4番契約(不履行の場合は罰金発生)という都市伝説は、ガチだったのである。
「不二村の野郎、こんな状況なのにやっすい年俸から罰金払ってやがったんだな…」
不二村の苦労を思い、感慨に耽るイ軍ファン。
「よし、じゃあやっぱり城戸を常にスタメンから外せるお金持ちに監督になってもらう為に、やっぱ不二村は今年でクビだな!」
と、明後日の方向に向かって行くのであった。




