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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
509/5134

【城戸編135】呪いのサイン

 某月某日。

 東京新宿スタジアムのホーム側ロッカーで、対戦相手の資料を読み込む――――フリをして二重にした三流週刊誌を熟読する「40億の不良債権」こと城戸の元に、調達屋リバースが泡を喰ってやって来たものである。

「城戸さんヤベーよ! あんた用に準備しといた飛ぶボールと飛ぶバットそれぞれ50個、NPBから査察が入るかも知れねえ」

「ちょ、おいマジかよ!」

「とりあえず今すぐやられる事はなさそうだが、ちょっと試合では使えねえ」

「つってもなあ。前払いで金払った分はどうしてくれんだよ」

「仕方ねえから、そこは闇オークションに掛けて何とかするよ。しかし参ったな…」

 貴重な収入源が絶たれ、頭を抱えるリバース。

 城戸は考えた。

 今回は下手を打ったとはいえ、リバースは城戸の成績維持の為に、金次第であらゆる手段を講じる事が可能な貴重な存在ではある。今後の為に恩を売るべく、何かやれる事はないか。

 そうこう思案する中で、会心のサプライズを思い付いた城戸は、優しい笑みを浮かべて半泣きのリバースを眺めるのであった。


 そして翌日早朝、ロッカー内に隠してある飛ぶボール&バットをこっそり回収に来たリバースをとんでもない悲劇が襲う。

「な、何だこりゃあ!!!!」

 そう、闇オークションに掛ける予定の違法グッズに、城戸が要らん気を効かせてサインを入れていたのである。

「これじゃタダでも引き取り拒否されちまうぞ畜生!!!!」

 自らの不人気に全く気付いていない城戸の善意・結果嫌がらせに、リバースは放心する他ないのであった――――。

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― 新着の感想 ―
[一言] 流石城戸さん優しい (*´▽`*) 相手が泣いちゃうくらいに♪
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