【イ軍編115】絶対に投げたい始球式がそこにある
OB呼べばブーイング、アイドル呼んでもブーイング――。
「球界の掃き溜め」こと東京新宿イディオッツの始球式。何をやっても大文句を喰らいまくる状況に、「だったら投げたい奴に投げさせるか」と、パネマジ広報白井が一般ファンに向けて「始球式権」オークションを企画。
こんなのやりたい奴なんているワケねえだろう。どうせ未入札か、逆に嫌がらせで超高い札入れをされて無茶苦茶にされるだけ――――という予想を覆し、意外にも真剣な入札者が続出。〆切まで熱い駆け引きが続く展開となっているのであった。
「いやあ、さすが白井部長。的確にファンを煽る手法、マジでパネエっす」
とは白井の部下の言であるが、半分はお世辞、半分は本心からであった。実際、入札にあたってのファンのコメントたるや、「俺がイ軍を救う」「天誅!」等と、熱いを通り越して若干危険臭がするものが多発していたのである。
「ははは、イ軍ファンも散々ブーイングしながらも、何だかんだチームを愛してるって事だろうな。今回の始球式でバッターを城戸に設定したら、『イ軍の併殺魔・敗北要因は俺が退治する』とか何とか言って、ファンがぶつける気満々で超盛り上がってるもんな」




