【イ軍編104】夏のイ軍戦を制す者はセリーグを制す
8月初旬、マ軍―イ軍戦。
酷暑となっ夏真っ盛りのこの一戦、何とマ軍はレギュラーをスタメンから外し、ほぼ全てのポジションで若手を起用する仰天采配を展開したのであった。
これに対し、イ軍ナインは、
「おいおい、マ軍の連中、もう今年は諦めたらしいな。来年を考えて若いのを試合に慣れさせるつもりだぜ」
「奴ら、まだギリギリ、プレーオフを狙える位置ではあるが…」
「フッ、まあどうでもいいさ。マ軍の若手に一軍の野球を教えてやるまでよ」
等々、自らのペナントは開幕直後の記録的連敗で既に5月の時点で終わっている事を棚に上げ、上から目線でマ軍を小馬鹿にしまくるのであった。
そして試合後、マ軍ベンチ――。
「監督、采配が見事にハマりましたね」
「ああ、レギュラー連中の夏バテを回避する為に休養を与え、若手に実戦経験を積ませつつ、そして勝つ。夏場で動きが悪くなってる対イ軍だからこそ出来る芸当だ」
「真夏のイ軍は、いつも以上にレギュラー使うの勿体ないですからね。奴ら完全に地蔵と化して、谷間の先発でも簡単に抑えられるし、若手野手でも打ちまくれるし」
「夏のイ軍戦を制す者はセリーグを制す――。イ軍戦を最大限活用して、まだまだ優勝を狙ってくぜ」




