【イ軍編103】トレード戦線に炸裂するイ軍・ザ・ブーメラン
7月31日のトレード期限まで約一か月。今年のトレード戦線を巡って、例によってマスゴミが様々な怪情報を流布。その中でも特に目立ったのが、
「サ軍、主力選手をイ軍選手と総替えトレード」
という物である。
曰く、今年もバ軍とセリーグでマッチレースを繰り広げるサ軍であるが、その強さに反して客入りは芳しくなく、赤字経営が常態化している。その為、今年始めに経営陣が一新されたというタイミングもあって、大胆なチーム刷新に踏み切るというのである。
高額年俸の主力を超低年俸のイ軍ナインと入替えて、ひとまず人件費を圧縮。その後、身の丈に合った健全経営を目指して、チームを順次強化していく――。完全にトバシとも言い切れぬ内容だけに、このネタはある程度の信憑性を持って語られ、7月末のXデーに向けて、セリーグは真夏にも関わらずストーブリーグの様相を呈していたのであった。
一方その頃、バ軍系列スポーツ紙編集部――。
「よーしよし、よくやった。サ軍の選手連中、相当動揺してるらしいぞ」
「まあ完全にトバシなワケですがww、効果有ってとこですかね」
「うむ、サ軍が落ちてこれでバ軍が優勝してくれりゃ、俺達にも金一封が贈られるってもんだ」
以上の如き経緯で、全てはバ軍系列マスゴミの策略だったのである。
そして、実際にサ軍選手の間には激しい動揺が走っていた。
しかし、それ以上に影響を受けたのは、「球界の掃き溜め」と悪名高いイ軍に所属する「なんちゃって野球選手」こと、イ軍ナインである。
「これからお世話になる球団に対して本気出すのも何か悪いなあ」
と、本気出したところで大した事もないのだが、7月のサ軍戦は貫録の6試合全敗をマーク。それに加えて、
「フッ、今年は優勝出来そうだから(移籍したサ軍で)、今のウチにバ軍を叩いとくか」
と、バ軍戦で無駄にやる気を出してしまい、バ軍相手にまさかの3戦3勝をマーク。
結局、この時のイ軍の戦いがサ軍を一気に有利な状況に押し上げ、系列マスゴミを使ったバ軍の卑劣な戦法は、イ軍を絡めてしまった事でとんでもないブーメランボールと化してしまったのであった…。




